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中国語で副詞である言葉

时间:2023-10-24 理论教育 版权反馈
【摘要】:日本語は膠着語で、中国語は孤立語である。一方、中国語の言葉の品詞性は形態上の特徴がないので、文法的な働きによって判断しなければならない。品詞性が基本的に一致している中日同形語は品詞性の問題があまり起こらないと思われる。次の言葉は中国語では他動詞だけでなく、名詞でもある。「-化」類の言葉は中国語ではほとんど自動詞である。中国語の“控诉”等の言葉も同じく目的語を持たなければならない。

第五章 中日同形語の品詞性比較

1. はじめに

日本語と中国語は言語体系が違う。日本語は膠着語で、中国語は孤立語である。それが中日同形語の形態の違いにも反映されている。特に、日本語の形容詞·形容動詞、サ変動詞は屈折語尾があるのに対して、全ての中国語の言葉は屈折語尾がないのである。形態上「語形変化の体系をもつ名詞(名詞の曲用も語形変化のひとつとみなす)·動詞·形容詞の場合は、単語が統語論的にも形態論的にも形づけられている」(1)ので、日本語の漢字語の品詞性は中国語より比較的捉えやすい。一方、中国語の言葉の品詞性は形態上の特徴がないので、文法的な働きによって判断しなければならない。それは常に品詞間の揺れをともなってしまう。中国語でも日本語でも、一つの言葉が一種の品詞だけだったり、複数の品詞を兼ねたりしているので、中日同形語は、品詞性(2)が一致しているものもあるが、一致していないものもあり、複雑な対応関係をなしている。中国語母語話者が、日本語習得の時、中国語での品詞性をそのまま日本語に当てはめたら、文法形態上の誤用が生まれてくるわけである。また、品詞性が意味に関係する場合が多いので、品詞性が変われば、意味用法が大きく変わる可能性がある。中日同形語の双方の品詞性を正確に把握しなければ、意味上の誤解が生まれ、コミュニケーションに支障をきたすおそれがある。そこで、筆者は少しでも中国語母語話者の日本語学習に役立ちたいと思い、中日同形語の品詞性を比較検討したのである。

2. 先行研究

中日同形語の品詞性の問題は早くから取り上げられてきた。「日中同形語」の品詞の違いに関する研究は,石堅·王建康(1983)、侯仁鋒(1997)、中川正之(2005)がある。石堅·王建康(1983)は日本語での品詞性を判断してもらうという形で調査を実施し,母国語の干渉が強いという結論を出した。侯仁鋒(1997)は新聞や雑誌からいろいろな用例を集め、日中の同形語の品詞の違いを分析し、8タイプ(3)に分類した。

中川正之(2005)は石堅·王建康(1983)の研究をふまえて、中国語の形容詞が日本語で動詞になる原因を「一時的か恒常的か」「一点凝視か多点参照か」「中国語の並列と日本語の修飾」という三つの角度から考察した。

また自他動詞の角度から中日同形語の問題を取り上げる研究が最近増えつつある。五味政信など(2006)は中国語母語話者の誤用に対する分析を通して、漢語の動詞性を検討した。庵功雄(2010)は中国語母語話者に対するアンケート調査を通して、日本語の自他動詞の習得問題を検討した。

中日同形語の品詞の違いは非常に複雑な問題であるが,筆者は収集した中日同形語を徹底的に比較分析し、中国語母語話者の日本語習得の角度から、「品詞問題が起こる可能性が低い同形語」と「品詞問題が起こる可能性が高い同形語」に分類して考察を加えていく。

3. 品詞問題が起こる可能性が低い同形語

品詞性が基本的に一致している中日同形語は品詞性の問題があまり起こらないと思われる。大きく3種類に分類できる。

3.1 中日とも、単一の品詞性しか持たない名詞、副詞、接続詞

名詞(4):学者 出版物

副詞:

一一 一旦 鋭意 時々刻々 随時 漸次 全然 逐次

逐日 逐年 不日

接続詞:乃至(5)

ただし、品詞性が一致する言葉は意味が同じであるとは限らない。「一旦」「乃至」はその典型的な例である。そういう言葉の意味の違いに細心の注意を払う必要がある。

3.2 中国語では動詞で、日本語では名詞とサ変動詞である言葉

①中国語では自動詞で、日本語では名詞とサ変自動詞である(6)

安眠 萎縮 演説 凱旋 求人 苦学 出頭 衝突 勃興

療養 旅行 林立 深呼吸 四通八達 袖手傍観 東奔西走

朝令暮改

次の言葉は中国語では自動詞だけでなく、名詞でもある。

共鳴 虚脱 結晶 血戦 決闘 行動 作文 作用 同盟

動作

「共鳴」と「結晶」の意味用法に微妙な違いがある(7)

②中国語では他動詞で、日本語では名詞とサ変他動詞である(8)

愛護 一掃 印刷 演出 概括 解釈 拡充 鑑賞 貫徹

吸引 凝視 薫陶 検挙 傾注 厳守 検討 構成 構築

公認 告訴 告発 鼓舞 散布 思索 辞退 重視 修築

祝福 受理 浄化 醸成 助長 審査 崇拝 征服 節約

扇動 創造 促進 達成 探究 彫琢 溺愛 陶冶 忍耐

発揮 反省 頒布 鞭撻 網羅 予防 予約 朗読 暗中模索

次の言葉は中国語では他動詞だけでなく、名詞でもある。ただ、「確信」「協議」「統帥」「懸念」(9)などの名詞としての意味は日本語の名詞と大きく異なるので、注意が必要である。

意識 一覧 確信 涵養 記憶 企図 希望 協議 教訓

教授 虚構 議論 区別 訓示 経験 警衛 懸念 幻想

建築 交易 構想 告白 顧慮 裁判 刺激 試験 刺繍

収穫 主管 縮写 主張 照会 象徴 証明 処分 設備

装備 装置 忠告 懲罰 通知 通報 提議 提示 摘要

統帥 把握 発明 判決 表現 評論 負担 編制 包装

報道 銘記 妄想 要求 予感 予言 礼拝

③中国語では自他動詞で、日本語では名詞とサ変自他動詞である。

移動 欧化 悔悟 解決 解散 開始 拡大 確定 加速

確立 加重 合併 完成 貫通 緩和 逆転 競争 緊縮

屈伸 具備 激化 結合 結束 決定 減少 後悔 呼吸

固定 混入 賛嘆 実現 集中 収斂 縮小 消滅 進行

震動 増加 増減 増殖 増大 損壊 損傷 堆積 中和

調剤 珍重 停止 転移 凍結 普及 分解 分散 分離

勉強 埋蔵 摩擦 溶解 累積 連合 連絡 連発

その他に、「損耗」と「継続」は中国語で自他動詞だけでなく、名詞でもある。

3.3 中国語では形容詞で、日本語では名詞·形容動詞である(10)

安全 安静 偉大 遠大 艶 鋭利 円滑 旺盛 頑固

簡単 簡潔 確実 狭隘 貴重 緊急 軽率 厳正 厳密

謙虚 顕著 広大 固陋 孤独 公正 公平 新鮮 迅速

重大 真摯 慎重 主要 重要 親切 深刻 神秘 崇高

盛大 脆弱 重要 精巧 誠実 繊細 鮮明 正確 正当

疎 率直 粗暴 単純 忠実 痛快 適宜 適当 独特

特殊 透明 軟弱 柔和 濃厚 薄弱 繁華 繁雑 煩瑣

微妙 卑劣 肥沃 貧乏 平等 風流 風流 複雑 富裕

便利 平和 平淡 密 無恥 明晰 猛烈 勇敢 優美

優良 優秀 優雅 容易 流暢 冷静 冷淡 湿潤 上上

勤勉 好奇 有効 無効 過度 過分 過密 過激 絶妙

陳腐 高級 低級 廉価 対等 下等 上等 同等 劣等

優等 巨額 高額 均質 薄情 多情 低調 短命 厳格

適度 大幅 小幅 多病 多様 同様 異様 著名 幸運

敏感 正式 年少 性急 莫大 異常 大胆 大規模

赤裸々

次の言葉は中国語では名詞と形容詞で、日本語では名詞と形容動詞であるので、品詞上の問題が起こらないだろう。

壮観 光栄 経済 困難 必要 秘密 純情 高度

日本語では形容動詞は普通名詞を兼ねているが、形容動詞だけの言葉もある。それらも習得上問題にならないと思われる。次の例が挙げられる。

陰鬱 頑強 厳重 柔軟 周到 真摯 尋常 切実 典雅

唐突 濃厚

4. 品詞問題が起こる可能性が高い同形語

品詞性が大きく異なっていたり、ともに複雑な兼類であったりする場合、品詞性の問題が起こりやすいと思われる。以下、中国語での品詞性に沿って、4種類に分類してみた。

4.1 中国語では名詞である言葉

①日本語で名詞と形容動詞である。

優勢 劣勢 好評 現金

②日本語では名詞とサ変自動詞である。

位置 機能 競走 行列 決算 原因 現在 高調 高潮

紅葉 故障 婚姻 讒言 修養 心中 炊事 誓言 正装

成約 前後 戦争 同調 伯仲 破綻 比例 由来 正比例

反比例 新陳代謝

③日本語では名詞とサ変他動詞である。

意見 意図 科学 観念 願望 偽証 工夫 契約 決議

見聞 口供 豪語 公約 告示 錯覚 差別 志向 嗜好

実感 実証 指南 始末 射影 証言 新作 出納 誓約

絶唱 宣言 増幅 素描 大観 知覚 直覚 直感 提案

媒介 用意 類別 冷遇 礼遇 論断

ただ、「是非」は日本語で副詞でもある。

④日本語では名詞とサ変自他動詞である。

合同 細工 彩色 精米 同期 二分

4.2 中国語で動詞である言葉

①中国語では自動詞で、日本語では名詞と形容動詞である。

この類の言葉は少ない。「長大(11)」が挙げられる。「長大」はもともと中国語でも形容詞の用法があったが、現在は動詞としてしか使われない。

②中国語では自動詞で、日本語では名詞とサ変他動詞である。

a.動賓構造である言葉

割愛 解禁 観光 看病 享楽 減額 献策 謝罪 収賄

出資 出題 出力 消毒 除名 推理 成形 整形 制動

製版 製油 設営 宣誓 増員 増額 創業 増資 送信

贈賄 断罪 追尾 伝動 投函 投資 抜粋 発令 分類

翻案 免職 免税 問責 融資 録音

ただ、次の言葉は中国語では名詞でもある。

兼職 処方 定義 破門(12)

中国語では動賓構造の言葉はすでに目的語を持っているので、“决意”“调剂”“加速”“出品”“提议”“动员”“出版”等以外は、言葉全体をまた他動詞として使い、目的語を持つことが出来ない。中国語母語話者は、この類の中日同形語の中国語での自動詞の用法に慣れてきたので、日本語での他動詞の用法に注意しなければならない。

b.動賓構造ではない言葉

斡旋 警備 公演 交配 再見 実習 周旋 守備 順延

照射 上場 照明 除外 推論 説教 折半 送検 創始

仲裁 入手 漂白 分娩 弁解 弁護 弁論 防衛 予定

雷撃 累加 合理化 自給自足 袖手傍観

次の言葉は中国語では自動詞だけでなく、名詞でもある。

工作 実験 手術 板書 冷笑

この類の言葉は中国語ではすべて自動詞で、目的語を持つことが出来ない。他動詞として、使えない原因は言葉によって違う。例えば、「警備」「守備」「防衛」などの言葉を構成する漢字が同じ目的語を持つことが出来ない。「雷撃」は中国語では「雷が落ちる」の意味であるが、日本語では「魚雷で攻撃すること」の略語である。

③中国語では自動詞で、日本語では名詞とサ変自他動詞である。

a.動賓構造の言葉

加圧 開演 開会 開館 開業 解体 開店 開票 完工

記名 解毒 減圧 減員 検疫 減産 減税 減速 減量

作曲 取材 譲歩 署名 植樹 節水 節電 施肥 選曲

増員 奏楽 増産 増資 送信 増税 送電 増兵 増量

組閣 脱臼 脱稿 脱水 築城 注目 点灯 投影 投稿

発信 発生 発電 発話 負傷 編曲 変形 命名 滅菌

この類の言葉は中国語では自動詞であるが、日本語では自動詞だけでなく、他動詞としても使われる。自動詞の用法は中国語と一致しているが、他動詞として目的語を持つ用法(13)に注意が必要である。

b.動賓構造ではない言葉

一新 飲食 運転 還元 起動 休止 決断 骨折 再生

自衛 昇華 試着 浸染 生成 絶滅 復活 奮発 化粧

結集 破損 優先 輩出 倍増 一元化 一体化 液化

活性化 機械化 磁化

「-化」類の言葉(14)は中国語ではほとんど自動詞である。一部分の言葉は形容詞的になっている。日本語から借用した接字であるが、中国語の言語環境に土着して、品詞性が変わってしまったのである。一方、日本語では「-化」類の言葉はほとんど自他両用のサ変動詞なので、中国語母語話者の誤用が起こりやすい。

④中国語では他動詞で、日本語では名詞とサ変自動詞である。

これは次の3種類に下位分類できる。

a.日本語では普通のサ変自動詞である。

圧死 焼死 激発 控訴 辞去 出演 葬送 疎通 抽選

伝播 発覚 主演(15) 埋没

「圧死する」「焼死する」は日本語で自動詞として使われるが、中国語ではどうしても外力を感じて、“被压死(圧死した)”“烧死了近10万人(10万人近くの人が焼死した)”のように目的語を持ったり、受身の形で使われたりする。日本語に翻訳する時、自動詞で表現しなければならないが、受身や他動詞の誤用が起こりやすい。ちなみに日本語の「圧死」に受身の意味合いが含まれている。「激発する」は日本語では「反対運動が激発する」のようにサ変自動詞として使われるが、中国語では“热情”“兴趣”“积极性”などの目的語を必要とし、日本語の「奮い立たせる」に当たる。中国語の“控诉”等の言葉も同じく目的語を持たなければならない。

b.日本語では移動的な自動詞である。

退出 超過 通過 走破 踏破

日本語では以上の言葉は全部「を」で移動の場所を表すが、目的語の「を」と偶然一致している。

一方、中国語では移動の意味を表すのは“退出”だけである。“退出”は移動の意味を現しても他動詞として理解される。また組織や試合を脱退する意味もある。

“走破”と“踏破”は“走破鞋子”“踏破门槛”“踏破铁鞋”のように目的語が必要である。

c.日本語で「に」を以て動作の働きかける対象を表す言葉

違反 違背 回答 解答 加盟 干渉 帰依 屈従 服従

屈服 迎合 酷似 参加 参与 賛成 賛同 参拝 従事

就任 出席 順応 侵入 進入 精通 接触 戦勝 潜入

遭遇 対抗 挑戦 直面 通暁 追随 追従 抵抗 適応

適合 同意 憧憬 到達 符合 命中 盲従 流入 隣接

列席

中国語の他動詞の範囲が日本語より広いので、中国語の目的語は日本語では「を」だけでなく、「に」で表される場合が多い。“违反纪律”“干涉内政”が「規律に違反する」「内政に干渉する」と表現されるように、上述の言葉は日本語でみな「に」で動作の働きかける対象を表すが、中国語の影響で、中国語母語話者が「に」より「を」を使ってしまうおそれがある。

また、「参拝」は、日本語での重きが「参」にあるのに対して、中国語では「拝」に重きがあるので、日本語では「神宮に参拝する」のように「に」で目的地を表すが、中国語では「神宮」を目的語として「神宮を参拝する」と表現する。

「符合する」は日本語で「に符合す」より「と符合する」のほうが多用されているので、注意が必要である。

⑤中国語では他動詞で、日本語では名詞とサ変自他動詞である。

依頼 仮託 感謝 毀損 決意 決心 散発 伸長 伸張

析出 増進 大破 反映 汚染 回復 隔離 活用 根治

集結 振興 注意 蓄積 展開 転換 破壊 発現 発動

噴出 変換 放出 発起 羅列 射出 断絶 超越

これらの言葉は中国語に自動詞の用法がないので、日本語の自動詞としての用法に少々抵抗があると思われる。

また、「依頼」「仮託」「注意」「感謝」などの言葉が日本語でサ変他動詞として使われるとき、往々にして「人」の対象は「に」で表し、「こと」などの対象は「を」で表すのに対して、中国語では人だけが対象になるので、中国語母語話者に「を」が使われがちである。「依頼」は、日本語では「医者に往診を依頼する」のように「人」の対象だけでなく、「こと」の対象も必要であるが、中国語では「人」しか“依赖(頼る)”の対象になれない。

また、「出産」「出品」「応酬」「成就」「汚染」は中国語で他動詞だけでなく、名詞でもある。

⑥中国語では他動詞で、日本語では名詞である。

汚辱 参考

「参考」はよく取り上げられる言葉である。「参照する」は他動詞として一般的に使われているのに、「参考」は名詞としてしか使われない。もともと日本語でも他動詞として使われたが、いつのまに「名詞」だけになって、「参考にする」「参考になる」と表現しなければならなくなった。このような用法の変化に中国語母語話者は強い抵抗を覚えるだろう。

⑦中国語では他動詞と形容詞で、日本語では名詞とサ変他動詞である。

合算 公開 講究 考究 拘束 精錬 抽象 統一 粉砕

歴任 含蓄

この類の言葉は中国語でもともと他動詞であったが、形容詞化して、現在「他動詞と形容詞」を併せ持つようになった。形容詞としての意味を日本語に翻訳する時、注意しなければならない。例えば、“话说得很含蓄”の“含蓄”は形容詞で、「含蓄がある」の意味を表す。

⑧中国語では自他動詞である言葉。

a.日本語では名詞とサ変自動詞である。

遺伝 運動 歓呼 感染 休養 協商 協同 解脱 減収

終止 出動 増長 大敗 転変 変動 融合

中国語の他動詞の用法が日本語にないので、中国語母語話者がこれらの言葉を使うとき、他動詞として扱う可能性がある。

b.日本語では名詞とサ変他動詞である。

解凍 改版 形成 上映 上演 増強 増産 批准 敷衍

幽閉 累計 冷蔵 連載 連発 改善

これらの言葉は中国語では自動詞としても使われるので、中国語母語話者は自動詞として誤用してしまう可能性がある。

4.3 中国語では形容詞である言葉

①日本語で名詞だけである

哀愁 安寧 医用 栄光 快楽 過疎 雅致 感傷 危急

偽善 機知 危篤 基本 驚異 狂熱 矜持 虚偽 巨万

虚栄 虚無 虚妄 義勇 久遠 苦渋 軍用 倦怠 好学

恒久 好戦 慈愛 慈善 漆黒 慈悲 常務 初級 辛酸

赤貧 絶佳 絶好 全盛 大吉 対称 耐用 中級 忠誠

長久 長寿 長足 適時 特級 難聴 薄命 覇道 万全

蛮勇 悲哀 美観 微賤 僻遠 唯一 諸般 驚異 原始

驚天動地

これらの言葉は日本語では名詞だけなので、後の名詞を修飾する時、「-の」を使わなければならないが、中国語母語話者は形容動詞のように「-な」にしてしまう可能性が大きい。

②日本語で名詞とサ変動詞である

a.名詞とサ変自動詞

中国語では物事の状態や性質を表す言葉

饱满 充足 繁盛 繁茂 肥大 合格 混浊 混乱 急迫

结实 紧迫 均衡 烂熟 曲折 特出 透彻 生动 衰弱

衰微 完备 紊乱 污浊 相似 圆熟 灼热

“结实”“合格”“衰弱”“生动”“相似”“肥大”“紊乱”“饱满”などの言葉は人にも使える。

中国語では人の態度や性質や才能などを表す言葉

急進 謹慎 勤労 傑出 謙虚 謙遜 堅忍 錯乱 執着

精練 専心 退廃·頽廃 卓越 卓絶 鎮定 疲労 腐敗

勇躍

中国語では人の感情を表す言葉

日本語の「い形容詞」に感情形容詞の種類があるが、形容動詞には感情形容詞が入っていない。中国語では日本語のような形態上の分類がない。

懊悩 歓喜 驚愕 狂喜 驚喜 恐懼 僥倖 恐怖 狂乱

欣喜 緊張 苦悩 苦悶 激動 激憤 亢奮·興奮 困苦

慙愧 焦燥 衝動 消沈 煩悶 憤慨 憤怒 偏執 優越

狼狽 和睦

「緊張する」は動態的に捉えて、緊張する前の状態と暗に比較しているかもしれないが、それは日本人だけでなく、世界中の人は緊張する前の状態との比較がなければ、緊張する状態がわからないだろう。もちろん、緊張する前の状態の他に、不断の日常的な状態、一般的な人の状態も参照物になるのである。問題は「緊張する」に動作性があるかどうかにある。中国語では物事を静態的に捉える傾向がある。それに対して、日本人はある程度、物事を動態的に捉えている。動態的に捉えるというのは比較的プロセスを重んじるが、静態的に捉えるというのはプロセスより結果を優先する傾向がある。この点もある程度中日文化の違いを反映していると言えるだろう。

人の感情や気持ちなどを全部形容詞と分類するのは合理的とは思えない。中国語の感情形容詞にも動詞性が含まれているはずである。例えば、“别紧张”のような表現にはどうしても動詞性が感じられる。必ずしも“了”と一緒に動態的な変化を表すとは限らない。また、中国語の形容詞の使役用法である他動詞の用法はずっと昔から受け継がれてきた。

この類の言葉は日本語で名詞を修飾する時、「~した」や「~的な」になるものが多い。例えば、「卓越した技能」「謙遜した言い方」「憔悴した顔」「透徹した洞察力」「灼熱した論争」「急進的な」「衝動的な」「悲観的な」「楽観的な」のように表現できるのである。

また、「新生」と「老朽」は中国語で形容詞だけでなく、名詞でもある。「新生」は「新入生」の意味もあるが、「老朽」はお年寄りの謙遜した自称でもある。

b.日本語では名詞と形動とサ変動詞である他動詞:簡約

自動詞:軽快 卓抜 妥当 稠密 沈着 沈静 貧乏

「簡約」は中国語では形容詞だけで、「簡単である。簡略である。」「つましい。質素である。」(16)意味を表すが、「名作を簡約した全集」(17)のような「簡単に要約すること。」の意味を表す動詞としての用法がない。

中国語では「不+形容詞か動詞」はもとの形容詞や動詞の品詞性を変えることはできない。日本語では「不」がついたら、もとの言葉の品詞性を変える可能性がある。たとえば、「確定」は名詞とサ変動詞であるが、「不確定」は名詞と形容動詞になる。「規則」は名詞であるが、「不規則」は名詞と形容動詞になる。「満足」は名詞と形容動詞とサ変動詞であるが、「不満足」は名詞と形容動詞である。普通「不」がついたら、サ変動詞がなくなるが、「不自由」は逆で、もともとの「自由」は「名詞·形動」なのに、「不自由」がサ変動詞化し、名詞と形容動詞とサ変動詞を併せ持つようになった。「不自由」の品詞性は一つの不規則な例外である。日本語で「不」で始まり、サ変動詞である言葉はもう一つある。「不足」は日本語で名詞とサ変自動詞で、中国語では自動詞と形容詞である。

「貧乏」の「貧」も「乏」も形容詞的な漢字なのに、「貧乏する」の形でサ変自動詞として使えるのも不規則な例外だろう。

c.日本語では名詞·サ変他動詞である

多産 倹約 誇張 糊塗 主導 造作 赤熱 達観 直観

適用 楽観

「多産」は中国語では「多作」の意味である。例えば、“他是一位多产作家”は「彼は多作な作家である」(18)を意味する。日本語の「多産」は「子や卵を多くうむこと。」と「多く産出すること。」(19)の二つの意味を持っているが、中日では意味が大きく違っている。“多产”の中国語での意味が「子や卵を多く産む」基本義から敷衍されたと思われる。

「造作」は日本語で二つの読み方がある。「ぞうさ」と読むときは名詞だけで、「ぞうさく」と読むときは名詞とサ変他動詞である。一方、中国語では“夸张”と“主导”は形容詞だけでなく、名詞でもある。

d.日本語では名詞とサ変自他動詞である

乾燥 慷慨 固執 鎮静 徹底 悲観 卑下 猶予

「慷慨」は昔中国語でも動詞の「志を果たせないことを嘆く」意味があったが、今は形容詞の用法しか残っていない。一方、日本語ではまだサ変動詞の用法が残っていて、「政治腐敗を慷慨する」のように「社会の不義や不正を憤って嘆くこと」の意味を表している。

“犹豫(猶豫)”中国語で「事物を疑って容易に決しないさま。ぐずぐずして決めかねるさま。」を表す形容詞であったが、日本語に入って、サ変自動詞だけでなく、「ローンの支払いを少し猶予してもらえませんか」「刑の執行を猶予した」(20)のように、サ変他動詞としても使われている。

e.中国語では形容詞と他動詞で、日本語では名詞と形容動詞である

温暖 可憐 奇怪 強固 強壮 堅固 健全 潤沢 怠慢

淡泊 端正 純潔 清潔 清楚 壮大 疎遠 放縦 明白

明確

中国語では形容詞の他動詞化が古くからの現象である。人の外力によって形容詞の状態にさせたりする意味を表す中国語独特な用法なので、中国語母語話者が日本語を習得する時、負の転移が起こりやすいと思われる。

f.中国語では形容詞と他動詞で、日本語では名詞とサ変動詞である

サ変自動詞:活躍 感動 苦悩 興奮 困惑 充実 動揺

サ変自他動詞:鎮静 鎮定 繁栄 勉強 迷惑 弯曲

g.中国語では形容詞と自動詞、日本語で名詞と形容動詞である

饒舌 過敏

4.4 中国語で副詞である言葉

①日本語では名詞である

時刻 恣意(肆意) 随処(随所) 徒歩 徒手

“时刻”は中国語で名詞でもある。

②日本語では名詞とサ変動詞である

a.サ変自動詞

徹夜 率先 苦心 対面 実在

「徹夜」は「徹夜で」「徹夜して」の形で後の動詞を修飾する。「率先」は「率先して」で後の動詞を修飾する。“苦心”と“对面”は中国語で名詞でもある。“实在”は中国語で形容詞でもある。

b.サ変他動詞である

強行

c.サ変自他動詞である

倍加

③日本語では名詞·形容動詞である。

不覚 不要 的確 確実 任意

“确实”“任意”は中国語では形容詞でもある。

④日本語では名詞、名詞·形容動詞、副詞である。

恰好

⑤日本語の副詞に「-に」が必要な言葉。

一概に 一時(いちじ)に 一度に 一時に 一心に

5. 中日同形語の品詞性の違いの要因

筆者は大量の中日同形語を比較してみた結果、お互いの品詞性の違いをもたらす要因として次の数点が挙げられる。

5.1 品詞性の変化

お互いの品詞性の変化が一番の要因であると考えられる。中日での変化の結果によって、「同じように変化した」「日本語での変化による違い」「中国語での変化による違い」「双方の変化による違い」に分類してみた。

①中日で同じように変化した言葉

双方の品詞性が変わっても、変わった後の品詞性が一致している言葉も少なくない。例えば、次の言葉はその例である。

a.中国語で動詞から形容詞化し、日本語で形容動詞化した

遺憾 果断 合法 稀有 好奇 好色 固有 失礼 自由

早熟 対等 知名 得意 有意義 有害 有効 有名

有利 有力 露骨

日本語では「早熟」は形容動詞化しているが、「成熟」は形容動詞化していない。中国語では“早熟”も“成熟”も形容詞化している。言葉の基本義は具体的な動作性を持つ場合が多いが、比喩的抽象的な意味に使われる場合、動作性が消え、その性質が拡大され、重んじられるようになる。「早熟」の形容動詞化から日本人も中国人と同じように事態を静態的に捉える一面を持っていることを物語っていると言える。

b.名詞から形容動詞化

下等 高度 細心 正式 低調 低能 適度

②日本語での変化による違い

日本語では品詞性が変わっているが、中国語では変わっていないので、注意が必要である。

a.名詞の形容動詞化

異質 陰性 強調 空腹 高価 豪気 貞節 多方面

優勢 劣勢 好評 現金

名詞の形容動詞化はその名詞のような性質を備える状態を表す。「AN」構造の言葉に中国語では形容詞で、日本語で形容動詞である言葉が少なくないが、特に日本語でその特徴が目立っている。「AN」構造の言葉は中国語ではAがNを修飾するN中心が多いが、日本語ではAに傾いている可能性が高い。例えば、“高价”は「高い値段」という名詞で、“价”に重きが置かれているが、「高価」は「値段が高いこと」という名詞と形容動詞で、「高」に重きが置かれている。

その他の言葉も中国語では形容詞の用法を持っていないので、注意が必要である。

b.名詞の副詞化

是非

『日本国語大辞典』によれば、「是非」はもともと名詞であったが、副詞としての用法は「是非共に」の省略から来たということである。

c.数量詞の副詞化

一層 一段

中国語では「一層」と「一段」には立体的な意味合いが持たれない。「層」は高い建物の階層を数える量詞で、二層以上になると、立体的な意味が生まれてくる。日本語で「一層」が副詞化したのは唐王之渙の《登鸛鵲楼》の詩句“欲窮千里目、更上一層楼”に由来したのではないだろうか。中国語では「前よりさらに進歩する。さらにレベル·アップする」の意味を表す時、“更上一层楼”が多用されているが、日本語では「一層」だけでそのような意味を表すようになって、更に使用範囲が拡大して、「以前にまして、程度が高まるさま」を表す副詞になったのであろう。

「一段」の「段」は中国語では「平面での区切り」の意味しか感じられない。日本語では「段」は中国語の平面的な「物事の区切り」の他に、立体的な「登降できるようにした台状のもののつながり。台状のもの。」(21)を表すことができる。漢字の意味の添加は日本人の生活環境と深くかかわっていると思われる。階段の意味から更に「上下の等級差」を派生してきた。日本語の囲碁などの段位を表す言葉は中国語に輸入されて、一般的に使われるになった。「段位」の言葉と意味は中日で一致しているが、「級」の意味が正反対するのはユニークな現象である。

d.動詞の形容動詞化

架空 杜撰 殺生 絶倫 破格

「杜撰」は中国語では動詞のままで使われているが、日本語では「人のいい加減な仕事ぶり」を表す形容動詞として多用されている。基本義から離れて、人や物事の性質を表す形容動詞化は中国語の形容詞化現象と一致している。

e.自動詞の他動詞化

骨折する(22)

「輩出する」はもともと自動詞で、「才能あるすぐれた人材が次々と出る」意味を表していたが、学校教育が発達するにつれて、他動詞化して一般的な卒業生にも使われるようになった。

「骨折する」は「骨が折れる」自動詞であったが、「腕を骨折する」のように他動詞化してしまった。「骨を折る」だったら、他動性が感じられるが、「骨が折れる」には他動性が全く感じられないので、説明しにくい現象である。『明鏡国語辞典』は「外力が加わって、体の骨が折れること。」と説明しているが、おそらく「外力」を強調しているだろう。

f.サ変動詞の消滅

汚辱 参考 報恩

g.名詞のサ変動詞化

意見 科学(23) 工夫 好調 細工 彩色 志向 心中 精米

前後 同期 同調 伯仲 由来 媒介

“伯仲”中国語で名詞であるが、《汉语大词典》の(4)の意味に“比喻事物不相上下(物事に優劣がないことを喩えて言う)。”と解釈して、次のような例を挙げている。

蜀中山水,如峨眉山,夏含霜雹,碑板之所闻,崑崙之伯仲也。

晋·王羲之《与谢安书》

学穷游夏之渊源,文列班杨之伯仲。 宋·秦观《代贺王左丞启》

大抵西山兰若,碧云、香山相伯仲。

明·蒋一葵《长安客话·碧云寺》

三つの用例の中で、動詞的に捉えてもいいのは“相伯仲”だけである。そのほかに“伯仲之间”という言葉もあるが、「互いに優劣の差のない間柄。」を表す名詞である。日本語では名詞だけでは「伯仲」の比喩的な意味を表すことができないので、サ変自動詞にされたのであろう。

③中国語での変化による違い

a.名詞の形容詞化

中国語では形容詞化したが、もとの名詞の用法が残っている。日本語では名詞のままである言葉。

威厳 威風 下流 感性 官僚 黄色 機械 義気 規則

規範 基本 機密 教条 経典 虚栄 空洞 景気 芸術

形象 系統 現代 光輝 光明 重点 色情 紳士 人道

性感 精彩 誠心 正規 正義 正統 全面 痴情 体面

痴情 典型 反感 反動 灰色 美貌 標準 風光 文明

封建 芳香 煩悩 模範 陽光 理性 和気

b.動詞の形容詞化

安定 一般化 衛生 遠視 合算 含蓄 完備 飢餓 協調

近視 好学 好戦 固執 孤立 自信 失意 実用 執着

進歩 専制 尊重 耐久 達観 致命 抽象 調和 直観

低落 適時 統一 投合 透徹 投入 独裁 突出 努力

入神 勇躍 超脱 悲観 閉塞 変態 楽観

「孤立」「突出」は中国語で自動詞から形容詞化し、さらに他動詞化したと考えられる。

「安定」は日常的には名詞とサ変自動詞として使われているが、「理化学で物質が化学反応などによって容易に変えようとしない性質」という意味を表す時は形容動詞である。それに対して、中国語の形容詞の“安定”は普通物事の安定している状態を表す。

c.名詞から副詞化

極端 絶頂 本能

d.形容詞の副詞化

純粋 基本

e.動詞から副詞化

一致 一貫 一定 肯定 努力 強行 至極 苦心 徹夜比較

f.形容詞の他動詞化

温暖 純潔 繁栄

g.日本から名詞しか借用していない。

機能 決算 高潮 故障 正装 比例 正比例 新陳代謝

④中日では別々に変化した。

“亲身”は中国語では副詞化し、日本語では形容動詞化した。

中国語で“共同”はもともと他動詞であったが、副詞化して、さらに形容詞化して、他動詞の用法が消滅した。日本語では「共同」はサ変自動詞化して、「共同で」「共同して」の形で多用される。

5.2 中日同形語を構成する漢字の品詞性に対する意識の違い

妥当 高調 高潮 卑下 過熱 灼熱

「妥当」が日本語でサ変動詞としても使われるのは不思議である。中国語では「妥」も「当」も形容詞で、動作性がないので、「妥当」は連合型の形容詞である。『大辞泉』の「妥」の「おだやかに落ち着く。事がおさまる。」と「当」の「あてはまる。道理にかなう。」の解釈から見ると、日本人にはたぶん「妥」にも「当」にも動作性を感じただろう。

日本人は中日の漢語を構成する漢字の品詞性に対する意識の違いによって、言葉全体の品詞性が違ってくるのである。「卑下」もその典型的な例である。中国語では「卑」と「下」は「いやしい」「低い」の意味を表す形容詞であるが、日本語ではどちらも「いやしめる。また、へりくだる」を意味する動詞性のある漢字なので、「卑下」は日本語でサ変他動詞手使われるわけである。

「熱」という漢字の品詞性は日本語ではやや複雑である。「加熱」の「熱」は名詞で、中国語と同じであるが、「過熱」「灼熱」の「熱」と自他動詞で、中国語の形容詞と違う。それによって、「過熱」「灼熱」の全体の意味が異なっているのである。“灼热”は古代の中国語で他動詞の用法もあったが、自動詞の用法は確認できなかった。また、今中国語では“灼热”は“热”を中心にする言葉で、「焼けつくように熱い」という意味を表すが、日本語では他動詞としてはほとんど使われなくなったが、中国語と同じ意味を表す名詞と、「焼けて熱くなること。」と比喩義の「感情が非常に高ぶること。」の名詞とサ変自動詞として使われている。「過熱」も同じである。中国語で“过”は副詞的に形容詞の“热”を修飾し、“过热”は“热”を中心にする形容詞で、「熱すぎる」という意味を表す。一方、日本語では「熱」に自動詞相当の「熱くなる」と他動詞相当の「熱くする」の意味を併せ持っている。中国語では「状態や性質」を表す言葉は普通形容詞として捉え、形容詞がまた他動詞化することが出来るが、自動詞として意識されない漢字が多い。

5.3 日本語では漢字に新しい意味を与えた

「軽快」の形容動詞と名詞の「みがるで、すばやいさま。」「心がはずむような、軽い感じであること。」の意味が中国語と共通しているが、「病気の軽くなること。」を表す名詞とサ変動詞の用法が中国語にないので、注意が必要である。『大辞泉』の「快」に対する解釈に「病気がよくなる。」意味が載せてある。例として、「快復·快方·快癒/全快」を挙げている。これは日本語の独特な意味である。

5.4 日本人は一部分の漢語の基本義に忠実であるが、中国語では言葉の基本義からどんどん離れていき、抽象的な派生義が発達していた

「徹底」の中日での品詞性の違いは非常に興味深い現象である。

《汉语大词典》は次のように説明している。

(1)通透到底。形容深透、完全而无所遗留。

十日内,每日数度以杷彻底搅之。

北魏贾思勰《齐民要术·作酱法》

塞迥连天雪,河深彻底冰。  唐·马戴《边将》诗

(2)形容水清见底。

明湖映天光,彻底见秋色。  唐·李白《秋登巴陵望洞庭》诗

两处双溪清彻底,二子诗句清于溪。

宋·杨万里《谢曹宗臣惠〈双溪集〉》诗

“彻底”の基本義は“通透到底。”であり、日本語のほとんどの辞書では「底まで貫き通ること」と説明されている。しかし、中国語での用例を見れば、“彻底”の動作性は“彻底搅之”と“河深彻底冰”は基本義で使われているが、動詞的に使われるのではなく、後の動詞を修飾している働きをしている。正に“形容深透、完全而无所遗留。”「のこす所なく行きとどく状態」を形容しているのである。したがって、“彻底搅之”の“彻底”は「のこす所なく行きとどいて」「隅々まで」「徹底的に」「徹底して」と解釈すべきであるが、“河深彻底冰”の“彻底”は「河の底まで」「川の水全部」と解釈できる。(2)の“彻底见秋色”と“清彻底”は“形容水清见底。”つまり「水が底まで澄み切っている状態」を形容している。「徹」はもともと動詞の「貫きとおる」の意味があったが、「徹底」という言葉の用例から、動作性の動詞より、状態描写の形容詞に傾いているのである。一方、日本語に入った「徹底」は「貫きとおること」「のこる所なく行き届くこと」の動作性がずっと保たれている。さらに自動詞から他動詞に変わってきたのである。名詞を修飾する時は、「徹底的な」「徹底した」が、動詞を修飾する時は「徹底的に」「徹底して」が使われている。日本語では「徹」の動詞性が重んじられているので、「徹夜」「透徹」もサ変動詞として使われているのである。

5.5 日本人は物事を動態的に捉え、中国人は物事を静態的に捉える傾向がある

「早熟」は日本語でも形容動詞化した。しかし、「晩熟」は名詞だけである。「完熟」は名詞とサ変動詞で、「完熟トマト」は「完熟したトマト」と同じ意味で、「完熟するのを待って収穫する」は将来の事について言っている。

日本語の表現に時間的な幅がある。

「熟」はもともと中国語でも動作性があったが、だんだん熟した状態を強調するようになり、動作性が失われてしまい、形容詞化してしまった。しかし、形容詞が形容詞を修飾できないので、「早熟」「晩熟」などに含まれている「熟」は動詞であるべきだ。「早熟」と「晩熟」は「形容詞+動詞」の修飾型であるのに対して、「円熟」の構成は違い、「形容詞+形容詞」の連合型である。

5.6 日本人は物事のプロセスを重んじ、中国人はプロセスより結果を重んじる傾向がある(24)

中国人にこれらの言葉に動作性が感じられず、目の前の静止した状態しか捉えられない。「老」「衰」などに動作性がないわけではないが、変化の過程が長いが、少しずつ変わっているので、そのプロセスは客観的には感じにくい。

「熟」も少しずつ変化するプロセスである。成熟期に入ってから「爛熟する」「完熟する」まで実際時間的幅がある。しかし、中国人は熟した状態に焦点を当てるのである。

「完備」は物事をすべて備える動作を表し、中国語では「すべて備えた」状態から「すべて備わった」状態を表す形容詞になった。

「似る」という自動詞はふつう「似ている」という形で状態を表す。「相似する」も「互いに似ている」状態を表す。

瞬間的な動作の結果を表す言葉は変化の結果の状態が一定期間持続するが、中国語ではその状態が持続しているより、状態そのものを重んじるのである。

5.7 自他動詞の違いの要因

①語構成の違い

「発案」中日の語構成が違う。中国語では「はつ」は「起こる」という意味で、自動詞である。「案」は事件の意味である。つまり、これは主語後置の言葉である。全体としては自動詞で、「事件が発生する」という意味を表す。

日本語の「発」は他動詞的で、「出す」を意味し、「案」は「アイデア」「考え」「議案」などを意味する。全体としては、他動詞で、「(計画などを)新しく考え出すこと。」と「議案を提出すること」の二つの意味を表す。

②目的語の違い

日本語で動賓構成の「VNする」が他動詞用法を持つ現象について、影山(1980)、小林(2004)は、「VNする」全体が目的語を取る場合、その目的語は「VNする」の「N」の下位語であり、両者は包摂関係であると指摘している。小林(2004)はさらに、「N」とヲ格目的語は全体·部分の関係を表す」と指摘している。張善実(2010)はそれを踏まえて、「除名する」「整形する」「保温する」などの例を挙げて、説明したうえで、更に「ヲ格目的語は「N」の行為が行われる場所を表す」と付け加えた。しかし、筆者の分析では、「除名」は所属関係を表し、「保温」は状態を表す。また「フライパンを加熱する」には、「フライパン」と「熱」には包摂関係、所属関係もなく、状態を変える類に所属するだろう。日本語では普通「熱を加える」の対象は「に」で表すが、「加熱する」となると、「を」を使わなければならない。「医療機関を受診する」「皮膚科を受診する」「専門医を受診する」などの表現は、場所より動作主を表していると思われる。つまり、「~の診察を受ける」ように理解できる。

「長大」の意味の違いの要因は中国語の多音字の“长”にある。動詞としての“zhǎng”と形容詞としての“cháng”の二種類の読み方があるので、語構成も違うのである。「動詞的根字+形容詞的根字」の場合、全体は動詞になって、「育つ。成長する。大きくなる」の意味になるが、「形容詞的根字+形容詞的根字」は「長くて大きい」という意味を表し、今の日本語意味とほとんど同じである。中国語で形容詞の意味が消えて、動詞の意味だけ残っているので、中日同形語の「長大」の意味の違いをもたらしたのである。

5.8 日本語での語を構成する漢語の造語要素になった

中国語では独立した一品詞として使われるが、日本語では語を構成する一要素になった。

機動 国際 積極 消極 具体 倦怠

5.9 “介词”は中国語独特な品詞類

比较 本朝 冲 除去 打 当 对 根据 和 经由

连 论 顺 通过 问 依据 用 由 缘 值 作为(25)

5.10 中国語の一部の意味しか日本語に伝わっていない

「発覚」について見てみよう。《汉语大词典》の説明と用例(26)によれば、“发觉”はもともと自動詞としても他動詞としても使われたのである。自動詞の「悪事·陰謀などが人に知られる」という意味は日本語と全く同じであったが、中国語では受け継がれてこなかった。

5.11 中国語で動詞の用法が消えたが、日本語ではまだ残っている

位置 原因 現在 婚姻 演技 誓言 行列 嗜好 修養

成約 戦争 破綻 宣言 二分 決議

“位置”(27)“婚姻”(28)などは昔自動詞的な用法があったが、ほとんど消滅してしまった。日本語ではまだサ変自動詞として使われている。

“破绽”(29)は中国語で動詞として基本義の「服や帽子や靴などが綻びる」を表していたが、だんだん名詞化して、「ぬけめ」という意味を表すようになった。一方、日本語では「生活が破綻する」「財政が破綻する」「経営が破綻する」のように比喩的な「正常な状態が維持できなくなる」という意味を表すようになった。

6. おわりに

日本語は形式を重んじる言語である。日本語を習得するとき、意味だけでなく、形式もきちんと整えなければならない。

品詞性が同じで、品詞性の問題が起こらないものでも、意味の違いに注意が必要である。とくに、日本語では漢語は基本的に名詞として意識され、兼類の場合の名詞は中国語の兼類の名詞と意味が大きく違う場合が多いので、習得の時、細心の注意を払う必要がある。

品詞性の違いは意味用法の違いに直結しているので、意味用法の相違を反映していると言える。品詞性が大きくずれている中日同形語は、意味用法の重なっている部分を除いて、大きく違っている意味用法に注意する必要がある。

中日同形語の自他動詞のずれがボイスなどに影響が出るのはいうまでもない。例えば、中国語では自他動詞で、日本語では自動詞だけの言葉は受け身と使役文の両方に誤用が起こりやすい。

言語発展の歴史は具体的な意味から抽象化し、基本義から離れていき、比喩的な意味や抽象的な意味へどんどん拡張されて、派生していく。いわゆる転義の現象である。品詞性もそれに従って変わっていく。それで、中国語では形式上形容詞化した言葉が相対的に多い。一方、日本語では中国語から入って来た言葉の意味がどんどん変えられてきたが、形式上の変化があまり伴っていないので、形式的な形容詞や形容動詞が相対的に少ないのである。村木新次郎(2004)によれば、実際日本語に形容詞的に使われている表現が多く存在している。

品詞性の変化が中日同形語の品詞性の違いの一番の要因である。品詞性の変化はもともと品詞性にずれがある言葉の品詞性、特に品詞性の兼類をさらに複雑化してしまった。その中で、特に注意が必要なのは中国語の形容詞と日本語のサ変自他動詞の用法である。中国語では形容詞である言葉が、日本語では必ずしも形容動詞ではない。中国語では物事の状態や性質、人の精神状態を表す言葉は形容詞に属するが、日本語ではほとんどサ変動詞なので、特に注意が必要である。中国語の形容詞から他動詞化した言葉や日本語の動賓構造のサ変他動詞にも注意しなければならない。

(1)村木新次郎.現代日本語における漢語の品詞性.日語研究2.商务印书馆,2004,p10.

(2)日本語での品詞性の認定は主に『日本語国語大辞典』『広辞苑』『大辞林』『岩波国語辞典』『明鏡国語辞典』ベネッセ『表現読解国語辞典』『大辞泉』『講談社日中辞典』『新明解国語辞典』『プログレッシブ和英中辞典』などの辞書を参考にした。サ変動詞は「を」で目的語を持つことができる場合、他動詞と判定し、「を」で目的語を持つことが出来なければ、自動詞と判定し、「を」で目的語を持っても持たなくてもいい場合、自他両用と判定した。

中国語の辞書は主に《现代汉语词典》『講談社中日辞典』《汉语大词典》などを参考にして、認定した。

(3)侯仁鋒(1997)は次の8タイプに分類した。

①中国語では動詞、日本語では名詞

依拠 参考 関心 犠牲 損害 習慣

②日本語では名詞のほかに動詞の用法もあるが、中国語では普通は名詞

としての用法しかない

提案 見聞 工夫 用意 近道 人選

③両言語には共に名詞の用法があるが、一方日本語では動詞の用法があるのに反して、中国語では形容詞の用法

疲労 矛盾 混乱 混雑 謹慎

④中国語では形容詞或いは副詞、日本語では名詞

積極 科学 徹底 楽観 具体 経済 合法 人道 消極 機械

⑤中国語では形容詞或いは副詞、日本語では動詞

発達 緊張 興奮 一致 腐敗 不足 乾燥 優越 充実

卓越 彎曲 一貫

⑥中国語では他動詞、日本語では自動詞

干渉 出席 着眼 注意 反対

⑦中国語では自·他動詞両用、日本語では自動詞用法のみ

発展 普及

⑧「○然」型の同形語は中国語では副詞、日本語ではタルト形容動詞

決然 雑然 轟然 蕭然 毅然 整然 漠然 など

(4)名詞である同形語は大きく次の2類に分類できる。

①同じ意味である名詞は次の同形語が挙げられる。

愛称 哀調 赤潮 秋 秋風 秋雨 秋草 悪事 悪臭 悪習 悪戦

悪人 悪念 悪魔 悪夢 悪名 握力 朝露 足跡 亜種 雨傘 雨具

雨靴 網 雨 雨露 安危 行宮 暗礁 暗室 暗夜 暗流 衣冠

異義 異議 意義 委員 遺影 胃液 医科 医学 胃癌 異郷 偉業

遺訓 遺稿 意向 遺骨 遺作 遺産 胃酸 意志 医師 遺志 石橋

異種 意趣 異臭 医術 遺書 医書 威信 偉人 異性 遺制 遺跡

異説 遺体 異端 胃腸 逸事(軼事) 緯度 異同 犬 稲 胃病

遺風 衣服 遺物 異物 胃壁 医薬 医療 衣料 威力 陰茎 隠語

陰極 咽喉 印象 印章 因数 隕石 陰部 隠喩 飲料 引力 歌

歌声 宇宙 雨滴 雨天 右脳 右派 右辺 海 海牛 海亀 海辺

海蛇 梅 右翼 羽翼 雨露 鱗 右腕 雲煙 運河 運気 運勢

液晶 液状 液体 益虫 益鳥 疫病 干支 遠因 煙雨 円環 援軍

遠近 園芸 演芸 円弧 冤罪 塩酸 円周 猿人 円錐 塩水 宴席

沿線 円卓 園長 円筒 沿道 塩分 援兵 遠方 煙霧 遠洋 遠路

桜花 王冠 奥義 王宮 王国 黄金 王子 欧州 横線 黄土 桜桃

王妃 奥秘 汚泥 汚名 音韻 音域 音楽 音感 恩恵 音叉 恩師

温室 温床 恩情 音信 恩人 音節 温泉 音素 音速 温帯 音調

温度 音符 音律 音量 外圧 海域 会員 海員 外因 海運 海外

外界 会館 快感 外観 会規 会期 階級 快挙 海峡 概況 海軍

外形 外径 蚕 海港 海溝 外国 外債 快事 海事 外資 外事

外需 海獣 楷書 会場 海上 外商 海水 概数 回数 海戦 階層

海藻 海草 会則 海中 害虫 会長 回腸 海鳥 海底 外敵 外電

快刀 会堂 海棠 街灯 外套 街頭 海難 概念 海馬 海抜 会費

外皮 海浜 外部 海風 外壁 会報 海防 外貌 海面 海綿 海洋

概要 海里 概略 海流 外力 海路 回廊 下院 家運 画架 画家

課外 価格 化学 花卉 夏季 下級 佳境 家業 画境 歌曲 家禽

家具 各位 学位 各界 学業 格言 核酸 学士 学識 学者 各種

楽章 核心 学制 学籍 学説 楽隊 楽団 楽壇 各地 格調 角度

学年 学派 学費 学府 岳父 楽譜 学風 学問 学友 学力 学歴

家訓 花茎 佳景 歌劇 下弦 下限 河口 禍根 火災 家財 佳作

家産 下肢 歌詞 舵 過失 佳日 画室 歌手 果樹 画趣 雅趣

果汁 画集 河床 画商 佳人 下図 火星 火勢 家政 画聖 仮説

画題 片言 下端 花壇 学科 学界 画壇 価値 家畜 火中 花鳥

閣下 学期 楽器 楽曲 学区 各国 褐色 活力 家庭 過程 課程

家電 河馬 蚊柱 画板 果皮 画筆 佳品 寡婦 画布 画譜 家風

禍福 花粉 貨幣 壁紙 画法 画報 南瓜 髪型 上座 紙袋 仮名

画面 科目 貨物 火薬 蚊帳 伽藍 火力 画廊 肝炎 眼科 眼球

環境 眼鏡 奸計 眼光 監獄 冠詞 漢詩 幹事 漢字 眼疾 患者

環状 閑職 歓心 陥穽 慣性 関税 岩石 幹線 艦船 元祖 間奏

感想 甘草 肝臓 寒帯 元旦 眼中 館長 艦長 官邸 艦艇 眼底

巻頭 寒梅 甲板 完膚 寒風 眼福 巻末 眼力 寒流 含量 顔料

慣例 気圧 議案 議員 器械 規格 気管 奇観 季刊 期間 器官

危機 疑義 気球 企業 戯曲 基金 器具 奇遇 期限 起源 気候

奇効 技巧 奇才 奇策 棋士 騎士 技師 儀式 記者 旗手 騎手

基準 帰心 奇数 基数 気勢 奇跡 議席 季節 基礎 議題 北風

北国 疑団 基地 吉日 機長 議長 亀甲 吉兆 汽艇 規程 汽笛

起点 基点 疑点 帰途 軌道 危難 忌日 絹 気嚢 技能 棋譜

棋風 器物 騎兵 規模 気泡 奇峰 技法 気脈 偽名 疑問 規約

客船 脚本 脚下 逆境 逆光 杞憂 嗅覚 球菌 球形 球茎 球体

宮廷 宮殿 牛痘 牛肉 牛馬 旧版 吸盤 急病 教案 胸囲 教員

協会 仰角 凶器 狭義 教義 胸襟 教具 境遇 強豪 強国 峡谷

強者 強弱 凶手 郷愁 強震 業績 凶弾 境地 胸椎 教程 強敵

教徒 郷土 享年 教派 共犯 教父 胸部 狂風 強風 教鞭 業務

経文 恐竜 橋梁 魚介 巨艦 漁業 極限 極地 極致 曲調 極点

局面 魚群 漁港 巨資 漁場 巨人 巨星 魚網 魚雷 霧 気流

気力 帰路 近影 銀河 近海 金塊 金額 銀器 金魚 近況 近郊

金鉱 銀鉱 禽獣 禁書 近親 金星 金銭 金属 銀杏 金髪 銀髪

銀幕 金融 近隣 菌類 区域 空気 空隙 寓言 偶数 偶像 草地

草木 草原 孔雀 苦汁 口紅 苦衷 屈辱 句読 苦難 熊 組曲

蜘蛛 苦楽 黒髪 黒雲 黒土 黒貂 黒豆 鍬 勲章 経緯 敬意

景観 刑期 契機 警句 刑具 敬語 蛍光 渓谷 形式 敬称 軽傷

警鐘 刑場 形状 係数 形勢 軽装 形体 形態 頸椎 警笛 経度

鶏肉 刑罰 経費 刑法 警報 警務 軽油 渓流 系列 毛蟹 毛皮

袈裟 景色 血圧 血液 血縁 結核 血管 血気 血痕 血腫 血漿

血色 血清 結石 血栓 結腸 血沈 血統 血糖 血肉 血尿 血便

結膜 血脈 血涙 血路 仮病 毛虫 堅果 懸河 見解 圏外 嫌疑

権限 乾坤 建材 剣術 肩章 憲章 謙称 件数 権勢 憲政 圏内

鍵盤 剣法 拳法 憲法 権利 権力 恋人 光圧 高圧 好意 行為

厚意 皇位 校医 光陰 公益 公園 厚恩 恒温 高温 効果 校歌

高架 公海 郊外 広角 甲殻 光学 高官 睾丸 鋼管 校規 広義

厚誼 後宮 工業 鉱業 航空 高空 校訓 工芸 高見 光源 荒原

高原 口腔 後項 黄砂 公債 功罪 鋼材 鉱産 高山 鉱山 公使

口実 後者 校舎 口臭 公衆 鉱床 工場 厚情 公職 香水 降水

硬水 洪水 攻勢 後世 恒星 功績 鉱石 口舌 光線 高僧 抗体

光沢 紅茶 行程 航程 鋼鉄 好天 紅土 硬度 喉頭 坑道 校内

効能 光波 紅梅 鋼板 公費 後部 鉱物 高峰 攻防 公民 公務

肛門 校門 綱要 公理 功利 効率 綱領 香炉 高論 港湾 蟋蟀

古画 湖岸 顧客 故郷 国運 国益 国王 黒煙 国技 国号 国策

国事 酷暑 国情 黒人 国粋 国政 国籍 国葬 穀倉 国鳥 国土

国道 国内 黒板 国賓 国宝 国法 国防 国民 国名 穀物 国力

心 心得 小魚 小雨 孤児 胡椒 湖心 個人 湖水 個数 個性

戸籍 古跡 弧線 固体 個体 古代 国花 国家 国歌 国会 国旗

国境 小鼓 骨肉 湖底 個展 古都 孤島 小鳥 粉薬 琥珀 湖畔

古墳 古木 枯木 小麦 米 米粒 湖面 顧問 根茎 根源 根号

痕跡 昆虫 魂魄 婚礼 差異 菜園 災禍 災害 才気 細菌 歳月

債券 債権 最後 最初 才女 細則 才知(才智) 才能 細胞 歳末

債務 差額 砂丘 砂金 索引 昨晩 作品 昨夜 策略 酒 酒糟

左舷 鎖骨 瑣事 殺気 砂糖 茶道 蛹 左脳 左派 左辺 砂礫

惨禍 傘下 賛歌·讃歌 山河 三角 山岳 産業 珊瑚 散剤 惨事

賛辞(讃辞) 算式 算術 惨状 山色 酸性 山村 山地 産地 山中

山頂 酸度 桟道 山道 産品 産婦 山腹 産物 散文 酸味 山脈

山野 散薬 山林 山麓 詩歌 死因 塩水 潮水 市価 四海 死角

視角 視覚 資格 史学 史観 士気 四季 死期 色感 色弱 色素

色調 色魔 色盲 子宮 詩学 市況 詩境 詩興 色欲 資金 詩句

資源 詩稿 死罪 資産 四肢 私事 紙質 史実 死者 使者 詩集

史書 私情 詩情 私心 指針 私人 詩人 指数 市井 市政 死生

姿勢 雌性 史跡 使節 支線 視線 始祖 子孫 肢体 紫檀 詩壇

紫竹 七彩 支柱 市長 思潮 室温 質感 漆器 湿気 湿原 桎梏

湿疹 湿地 湿度 室内 疾風 支点 視点 老舗 私物 私憤 詩文

紙幣 四方 至宝 脂肪 資本 島 清水 使命 四面 指紋 視野

尺度 芍薬 車検 社交 瀉剤 謝辞 車軸 車種 斜線 車窓 車体

射程 車内 斜辺 斜面 斜陽 舎利 車輪 車両(車輛) 首位 主因

周囲 収益 秋季 臭気 宗教 終曲 終局 終極 修辞 秋日 終日

秋色 愁色 秋水 習性 秋霜 習俗 醜態 終点 周年 周波 宗派

秋波 愁眉 醜聞 周辺 週末 主義 祝辞 淑女 宿命 主権 主語

種子 主旨 趣旨 主将 首相 主食 酒色 酒税 酒席 主題 手段

主調 首都 主任 首脳 酒杯 主犯 主賓 主婦 手法 主峰 主脈

主流 酒量 酒類 種類 棕櫚 春画 瞬間 春季 春秋 春色 春風

春分 春眠 駿馬 春雷 春蘭 枝葉 勝因 硝煙 商家 商学 商機

勝機 商業 証券 証拠 症候 商号 称号 小国 勝算 硝酸 少女

少将 証書 少数 小数 小説 章節 商船 商戦 肖像 消息 装束

商店 焦点 焦土 商人 少年 樟脳 勝敗 商標 商品 菖蒲 商法

商務 正面 勝率 少量 初夏 書架 書画 初期 私欲 職員 食塩

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喜怒哀楽 共産主義 教条主義 行政処分 行政訴訟 共同宣言

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形式主義 刑事責任 芸術作品 啓蒙思想 血清療法 洪水警報

血縁関係 高温殺菌 恒温動物 光学器械 高額紙幣 交換条件

交感神経 工業用地 航空母艦 巧言令色 甲骨文字 鉱産資源

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国粋主義 国立公園 個人主義 固体燃料 国会議員 固定観念

固定資産 細胞分裂 作戦計画 砂漠地帯 三角関係 産業革命

参考文献 山川草木 三位一体 子子孫孫 市場調査 自然科学

自然環境 自然主義 執行機関 指導原理 資本主義 社会科学

社会事業 社会主義 社会保障 車間距離 写実主義 自由行動

宗教活動 宗教改革 宗教団体 宗教法人 秋霜烈日 種子植物

首脳会談 守秘義務 春夏秋冬 消化器官 消化不良 象形文字

少数民族 上昇気流 象徴主義 賞味期限 職業意識 食物繊維

触覚器官 初等教育 人海戦術 真空地帯 神経衰弱 神経繊維

身体言語 信託銀行 神秘主義 靱皮繊維 心理小説 水産資源

水上公園 推理小説 水力発電 生産過程 精神衛生 精神鑑定

精神分析 生存競争 正当防衛 生命保険 生理作用 世界記録

世界銀行 脊椎動物 石器時代 楔形文字 選挙制度 千軍万馬

千言万語 千手観音 潜在意識 千載一遇 千姿万態 測量器械

体外受精 大気汚染 大衆文学 対症療法 耐用年数 多重人格

地下資源 地質時代 地方銀行 中産階級 中小企業 抽象芸術

中枢神経 聴覚器官 通俗小説 帝国主義 鉄器時代 電子音楽

伝統工芸 天然染料 動脈硬化 徒手体操 軟体動物 日常会話

日常生活 日照時間 尿道結石 認知科学 脳下垂体 発声器官

皮下脂肪 皮革製品 被選挙権 筆跡鑑定 必要条件 飛沫感染

百科全書 表意文字 表音文字 不快指数 付加価値 物価指数

物理変化 物理療法 文芸思潮 平均寿命 変温動物 扁桃腺炎

封建時代 封建制度 法治国家 飽和溶液 北斗七星 保護貿易

末梢神経 南回帰線 民主主義 民俗楽器 民族主義 無機化学

無産階級 無痛分娩 毛細血管 木管楽器 薬物中毒 唯美主義

唯物史観 有機化学 有価証券 有機化学 有効期限 有産階級

養老保険 利害関係 利己主義 理想主義 利他主義 立憲政治

立憲政体 立法機関 流体力学 量子力学 緑化運動 理論体系

臨床医学 冷血動物 歴史小説 連鎖反応

海洋性気候 火山性地震 完全失業率 旧石器時代 教育委員会

光学顕微鏡 国家公務員 最小公倍数 最大公約数 最恵国待遇

最小公倍数 最大公約数 産業廃棄物 市場占有率 秋季運動会

食品成分表 食品添加物 新石器時代 青銅器時代 大陸性気候

多年生植物 鳥獣保護区 電子顕微鏡 偏光顕微鏡 放射性物質

放射性元素 無政府主義 唯物弁証法 有機化合物 流行性感冒

連立方程式 核不拡散条約

②意味用法に違いがある名詞は次の同形語が挙げられる。

餡 脚 運 鎖 課 牙 嘴 車 煙 女 県 他 虫 娘

餅 床 舅 姑

愛情 愛人 赤字 赤身 悪意 悪運 悪手 悪報 圧力 網点 案件

暗号 医院 委曲 意思 椅子 入口 陰影 院長 因縁 羽毛 英文

遠景 縁故 園丁 大船 大麦 大雪 屋上 晩稲 汚水 白粉 王朝

王道 大男 大女 面影 音響 外角 会計 外交 会所 海嘯 外傷

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感触 喊声 関節 眼前 眼底 寒天 観点 幹部 顔面 眼目 閑話

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技術 気象 鬼神 汽水 貴族 機体 奇談 基調 義父 義母 期末

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末端 真名 麻薬 漫画 満車 饅頭 満場 万年 漫遊 見方 右手

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中学生 低気圧 特派員 反作用 半導体 平行線 野心家 路線図

外交辞令 高校教師 工程管理 高等学校 個人主義 女性問題

(5)「乃至」は同じく語彙的な接続関係を表すが、意味が全然違う。

日本語では二つの意味がある。

①数·階級·種類などを示すときに上と下との限界を示して、中間を略すのに使う語。…から…にかけて。「3人―5人」

②または。あるいは。「金―銀」

《现代汉语词典》は“甚至”を使い、説明している。

他的发明,引起了全国乃至国际上的重视。

《现代汉语词典》

彼の発明は全国ひいては世界中から重視されるようになった。

彼の発明は全国から引いては全世界から注目されるようになった。

病孩儿的不幸,引起了全省~全国人民的关注/

病気の子供の不幸な話は,全省のひいては全国の人々の関心を集めた.

講談社『中日辞典』

(6)自動詞の言葉

①中国語では自動詞で、日本語では名詞とサ変自動詞である

暗合 安息 安眠 畏縮 萎縮 違約 引退 隠遁 隠忍 雲集 永訣

永別 永眠 壊死 越境 越冬 遠征 演説 横溢 横臥 横行 応戦

応訴 応対 開会 開戦 会戦 凱旋 回遊 開腹 開門 会話 覚醒

格闘 下降 化合 化膿 歌舞 下問 換気 関係 感激 完結 感光

感嘆 閑談 感応 感奮 環流 関連 企及 帰郷 帰国 起算 寄宿

帰省 帰属 揮発 起伏 起毛 逆流 求愛 休憩 吸血 躬行 求婚

吸湿 求職 求人 休戦 休息 休庭 休眠 仰臥 凝集 共生 共存

凝滞 驚嘆 狂奔 挙手 居住 挙証 挙兵 起立 禁煙 禁欲 苦学

苦闘 傾斜 痙攣 激戦 激変 下山 下車 結審 決戦 決裂 献花

減刑 献血 顕現 建国 献身 減退 幻滅 講演 硬化 航海 号泣

行軍 航行 交差 交際 交錯 交渉 亢進 行進 更生 交接 交戦

抗争 梗塞 後退 膠着 拘泥 公転 好転 叩頭 交尾 合流 号令

講話 講和 呼応 呼号 枯死 混雑 昏睡 混戦 西下 再会 再婚

在職 在世 在籍 在任 錯綜 挫折 雑居 雑談 酸化 散会 惨死

参戦 残存 散髪 惨敗 散歩 散乱 残留 死去 質疑 止血 死傷

自首 辞職 自生 自薦 自嘲 失火 失業 失禁 失血 失言 失効

失踪 失笑 失神 失速 失恋 自転 死亡 自滅 謝恩 雀躍 遮光

捨身 射精 充溢 集会 就業 終結 充血 就寝 従属 充電 襲来

熟睡 受刑 授精 受精 出芽 出撃 出現 出国 出場 出征 出廷

出頭 出馬 出発 出兵 出没 受難 受命 狩猟 巡回 循環 竣工

巡航 殉死 殉職 蠢動 昇華 昇級 焼香 昇降 消失 乗車 常住

上昇 乗船 勝訴 上訴 昇段 消長 昇天 衝突 蒸発 勝利 食言

贖罪 除湿 助力 自立 自律 進化 呻吟 進軍 滲出 進水 進退

進駐 振動 心服 尽力 辛労 推移 垂涎 衰退 垂範 衰亡 生育

製塩 生活 生還 逝去 盛行 静坐 生息 成長 生長 静養 絶縁

絶交 雪辱 絶食 絶望 絶命 戦死 洗車 前進 潜水 宣戦 善戦

遷都 戦闘 潜伏 相違 増益 相応 相関 相克 相似 増収 早世

叢生 相対 早退 争闘 造反 造林 即位 側臥 齟齬 存在 退位

退役 対応 退化 退学 退却 対局 対決 対峙 対質 代謝 退場

退職 対陣 退廷 胎動 退歩 対立 滞留 妥協 蛇行 堕胎 脱落

多発 団結 探鉱 断交 誕生 断線 嘆息 着床 着陸 注水 中毒

跳躍 凋落 直通 直立 通関 通行 通航 通商 通信 通風 通用

停車 抵触 停職 挺身 挺進 停戦 停船 停滞 停電 低迷 低落

溺死 撤退 撤兵 転院 転化 転学 転身 伝染 投球 同居 投稿

投降 投宿 登場 投身 陶酔 当選 逃走 闘争 登頂 投票 答弁

逃亡 瞠目 到来 倒立 渡海 読図 独立 吐血 登山 突起 独居

突進 突発 内応 南下 軟化 南進 入会 入館 入庫 入港 入校

入山 入室 入場 入選 入団 入党 入門 入浴 敗訴 発覚 発言

噴飯 変異 変遷 萌芽 奉公 咆哮 放水 放電 飽和 保温 北上

北進 歩行 勃起 勃興 没落 哺乳 奔走 邁進 磨滅 摩耗 密集

滅亡 面談 猛進 盲進 妄動 躍進 躍動 遊泳 遊説 遊牧 輸血

養生 夭折 来訪 来臨 落後 落成 落選 落馬 落下 離婚 離散

離職 立論 離任 理髪 離別 留意 留学 隆起 流行 流産 流失

流出 流通 流動 留任 凌駕 量刑 療養 旅行 臨場 輪廻 林立

類似 流浪 連動 老化 労作 漏水 漏電 労働 露営 論戦 和解

過労死 深呼吸 軟着陸

四通八達 袖手傍観 晴耕雨読 東奔西走 朝令暮改 独断専行

(7)中国語では“共鸣”の基本義は自動詞であるが、比喩的な意味は名詞だけである。日本語では比喩的な意味である「他人の考えや行動などに心から同感すること」を表す場合、サ変自動詞として多用される。中国語では“结晶”の基本義は自動詞であるが、比喩的な意味は名詞だけである。日本語では基本義も比喩義(例:「努力が結晶した」)もサ変自動詞として使われる。

(8)中国語では他動詞で、日本語では名詞とサ変他動詞である同形語は以下の言葉がある。

愛護 愛好 愛惜 愛読 愛撫 愛用 圧縮 圧倒 圧迫 暗記 暗殺

暗算 暗示 安置 按摩 遺棄 維持 遺失 移植 移送 意訳 遺留

慰労 引見 印刷 隠匿 引用 飲用 運営 運送 運用 閲読 閲覧

援引 嚥下 演出 援助 演奏 延長 援用 謳歌 押送 殴打 嘔吐

応用 音訳 改革 概括 概観 解雇 回顧 開墾 概算 解釈 回収

懐柔 解除 改正 開設 解説 改選 改組 回想 改造 開拓 解読

開発 改変 改編 解放 解剖 改良 拡充 学習 革新 確信 拡張

獲得 確認 撹拌 確保 加工 仮設 架設 下達 割譲 合唱 渇望

感化 灌漑 管轄 喚起 歓迎 看護 刊行 勧告 観察 監視 甘受

鑑賞 観賞 勘定 管制 歓送 観測 感知 鑑定 貫徹 監督 看破

鑑別 玩味 勧誘 含有 観覧 管理 監理 記載 記述 起訴 起草

寄贈 偽造 期待 規定 記入 帰納 虐待 吸引 救援 救護 吸収

救出 救助 吸入 起用 強化 供給 強攻 教唆 凝視 享受 凝縮

供出 強制 矯正 強打 強調 脅迫 強迫 共有 享有 共用 許可

挙行 拒絶 曲解 記録 禁止 空襲 駆使 駆除 駆逐 駆動 区分

具有 供養 愚弄 薫陶 訓練 敬愛 経営 計算 計測 携帯 傾注

敬重 傾聴 啓発 敬慕 計量 撃砕 撃退 撃沈 撃破 激励 結成

牽引 兼営 検閲 嫌悪 兼任 研究 検挙 厳禁 検査 検索 検察

堅持 顕示 堅守 厳守 研修 検出 献上 牽制 建設 厳選 建造

限定 検討 兼任 研磨 減免 勾引 更改 交換 考査 考察 絞殺

行使 公示 口授 口述 考証 高唱 更新 構成 更正 校正 公選

公訴 構築 公認 購入 公布 交付 拷問 拘留 考慮 護衛 誤解

告訴 告知 告発 克服 克復 誇示 固守 誤診 誤信 鼓吹 護送

鼓舞 誤訳 雇用 誤用 懇請 根絶 建立 猜疑 採掘 裁決 採取

採集 催促 裁断 採納 栽培 採用 採録 削減 削除 策動 詐取

査収 殺害 刷新 察知 殺戮 査問 左右 参観 懺悔 斬殺 産出

算出 賛助 参照 蚕食 散布 使役 支援 指揮 識別 施行 思考

試行 思索 視察 刺殺 指示 支持 試射 死守 自習 自修 支出

刺傷 自選 視聴 試聴 執行 実行 実施 叱責 実践 指定 指導

指摘 支配 自費 出版 思慕 指名 試問 自問 釈放 借用 謝絶

遮断 惹起 遮蔽 赦免 襲撃 重視 収受 収集 修飾 修正 修繕

収蔵 修築 充当 習得 収納 修復 収容 重用 修理 蹂躙 修練

収録 祝賀 縮減 粛清 熟知 熟読 祝福 守護 主宰 接受 取得

受理 樹立 巡視 潤色 準備 使用 飼養 試用 私用 掌握 消化

浄化 傷害 召喚 償還 召還 賞玩 称賛 召集 招集 詳述 招請

醸成 醸造 招待 承諾 招致 承認 笑納 消費 招聘 消耗 省略

渉猟 奨励 嘱託 処決 処置 助長 処罰 処理 侵害 審議 信仰

審査 斟酌 申請 新設 診断 信任 審判 侵犯 信奉 審問 尋問

信頼 審理 推挙 推計 推察 推算 推進 推薦 吹奏 推測 推断

推定 崇拝 声援 静観 請求 制裁 制作 生産 清算 制止 正視

斉唱 精製 精選 清掃 製造 静聴 制定 征討 精読 征服 制約

整理 析出 世襲 切開 設計 席巻 節減 切削 接種 摂取 接受

接収 切除 節制 接待 切断 設置 折衷 設定 切望 説明 節約

設立 選挙 占拠 選考 宣告 選出 洗浄 選択 選定 宣伝 扇動

選抜 占有 占用 占領 増援 憎悪 総括 送還 創刊 想起 創建

捜査 捜索 創作 掃除 喪失 操縦 創出 総称 装飾 創設 増設

想像 創造 争奪 総動員 増補 贈与 創立 促進 促成 測定 速読

束縛 測量 狙撃 阻止 組織 咀嚼 租借 組成 尊敬 忖度 尊重

体験 体現 帯出 対照 対比 代表 逮捕 代理 打開 兌換 奪回

奪還 奪取 達成 打倒 打破 拿捕 弾劾 探求 探究 探索 探測

探知 断定 担当 担任 探訪 置換 中止 注視 注射 抽出 中傷

鋳造 注入 寵愛 鳥瞰 調教 調査 聴取 徴収 徴集 嘲笑 調製

調整 調節 彫琢 調停 眺望 重用 徴用 調理 直視 直射 直訳

貯蔵 直轄 治療 鎮圧 陳述 珍蔵 陳列 追憶 追加 追究 追求

追撃 追想 追贈 追徴 追悼 追認 痛感 通観 痛撃 痛恨 通読

提起 提供 締結 偵察 提出 提唱 訂正 溺愛 撤回 撤去 添加

転嫁 電解 伝授 伝承 転送 伝達 転売 展望 投下 統括 統轄

統計 登載 搭載 洞察 透視 投射 統制 透析 統率 淘汰 倒置

統治 導入 討伐 盗伐 陶冶 盗用 登録 討論 読解 吐露 内蔵

軟禁 認可 認識 認証 忍耐 認知 認定 任命 任用 熱愛 熱唱

捏造 濃縮 納入 廃棄 配給 拝見 配合 排除 廃除 賠償 排斥

排泄 配送 配置 拝読 配備 培養 迫害 剥奪 爆破 派遣 把持

発揮 発給 発掘 発行 発射 発送 発表 発布 発揚 挽回 搬出

反省 搬送 判断 判定 搬入 販売 頒布 判別 反問 美化 否決

否定 非難 否認 批判 批評 誹謗 罷免 評価 評議 表示 標示

描写 表彰 評定 剽窃 表白 標榜 表明 披露 封鎖 封殺 諷刺

俯瞰 復元 複写 輻射 複製 付設 布置 侮辱 物色 扶養 分割

噴射 粉飾 分析 分担 分断 分配 分泌 睥睨 平定 蔑視 変革

返還 変更 編纂 編修 編集 鞭撻 偏重 編入 包囲 放映 包括

包含 傍観 放棄 忘却 防御 望見 防護 縫合 報告 謀殺 縫製

放置 傍聴 冒涜 放任 防備 放牧 訪問 包容 放流 捕獲 保管

補給 補強 墨守 撲滅 保護 保持 保釈 保守 補習 補充 募集

補助 保証 保障 補償 捕食 保全 舗装 捕捉 補足 保存 没収

保有 保留 翻訳 翻弄 埋設 埋葬 抹殺 満載 密談 密封 無視

夢想 明察 命令 免除 猛攻 盲信 網羅 模擬 目撃 黙読 黙認

黙許 模倣 扼殺 約束 揶揄 誘拐 優待 誘導 誘発 憂慮 誘惑

輸出 輸送 輸入 養育 擁護 養護 養殖 養成 擁立 予期 抑止

抑制 予見 予報 予防 予約 予告 予想 予測 予知 礼讃 濫用

冷却 励行 歴訪 列挙 連結 連呼 朗読 浪費 論述 論証 論説

歪曲

(9)『講談社中日辞典』の“确信”“协议”“统帅”“悬念”などの名詞としての意味に関する説明と用例は次のとおりである。

确信 quèxìn [名]確かな情報。確実な消息。

有了确信我就告诉你/確かな情報が入ったら,すぐに知らせます。『中日辞典』

协议 xiéyì [名]合意。取り決め。

双方就有关合作项目达成协议/双方が協力プロジェクトに関して合意した。

签署了互派专家的协议/専門家の相互派遣についての合意書に署名した。

统帅 tǒng shuài [名]総帥。最高司令官。

三军统帅/陸·海·空三軍の総帥。

悬念 xuán niàn[名](小説や映画などで感じる)スリル。サスペンス。

(10)中国語では形容詞で、日本語では名詞·形容動詞である同形語は以下の言葉がある。

曖昧 悪辣 安逸 安静 安全 安寧 安穏 意外 異常 偉大 一律

一般 慇懃 陰険 陰湿 永久 鋭利 婉曲 円滑 円熟 遠大 円満

艶麗 旺盛 横暴 穏健温厚 温順 温暖 穏当 穏便 温和 魁偉

快活 快速 瑰麗 晦渋 快適 果敢 火急 確実 苛酷·苛刻 果断

華麗 華美 簡易 寛闊 頑強 頑愚 簡潔 頑固 閑散 閑静 寛大

簡単 簡便 緩慢 簡明 簡要 簡略 寒冷 奇異 危急 危険 貴重

奇特 希薄·稀薄 機敏 奇妙 急速 狭隘 凶悪 狭小 強健 強固

強靭 強大 凶暴·狂暴 巨大 虚偽 虚弱 均一 緊急 均等 勤勉

緊密 空虚 苦渋 敬虔 軽率 軽薄 軽微 軽便 軽妙 激烈·劇烈

潔白 険悪 謙虚 厳重 厳粛 厳正 顕著 厳密 玄妙 贤明 倹約

険要 堅牢 高遠 豪華 狡猾 高潔 豪奢 公正 豪壮 豪爽 高大

広大 広汎·広範 幸福 公平 豪放 傲慢 巧妙 豪勇 滑稽 孤独

固陋 懇切 細緻 細密 残酷 散漫 子細·仔細 湿潤 質素 質朴

弱小 洒脱 醜悪 重大 周到 秀抜 周密 重要 秀麗 純潔 純真

純粋 順当 純朴 淳朴 主要 詳細 正直 冗長 親愛 深奥 新奇

辛苦 深刻 真摯 真実 絶妙 神聖 親切 新鮮 迅速 深長 慎重

深沈 神秘 親密 辛辣 崇高 精鋭 凄艶 正確 性急 精巧 精細

凄惨·悽惨 誠実 静寂 脆弱 静粛 清純 正常清楚 正大 精緻

精微 静謐 精密 精妙 晴朗 拙劣 盛大 正当 専一 専横 繊細

浅薄 鮮明 善良 壮健 荘厳 荘重 蒼白 壮美 壮麗 壮烈 粗悪

粗大 率直 素朴 粗暴 粗放 粗野 粗略 尊厳 怠惰 対等

太平·泰平 懦弱(惰弱) 単一 単純 端麗 稚拙 緻密 忠実 忠誠

稠密 忠勇 沈勇 珍奇 沈毅 沈静 沈痛 痛快 痛切 通俗 低俗

丁重·鄭重 適宜 的中·適中 適当 天真 同一 透明 獰猛 特異

特殊 独特 特別 突然 軟弱 柔弱 柔和 年少 寧静 熱烈 濃艶

濃厚 濃密 薄弱 莫大 繁華 煩瑣 繁雑 煩雑 繁多 繁忙 悲哀

卑怯 微細 悲惨 微弱 微小 微少 卑賤 微賤 悲壮 卑俗 悲痛

非凡 微妙 美妙 病弱 平等 肥沃 非礼 美麗 卑劣 貧困 貧弱

敏捷 頻繁 貧乏 風雅 風流 富貴 富強 複雑 富裕 文弱 平安

平易 平穏 平静 平淡 平坦 平凡 平和 便利 豊艶 豊潤 芳醇

豊饒 豊満 朴実 朴直 朴訥 凡俗 凡庸 明細 明白 明快

明晰·明晳 明媚 明朗 綿密 蒙昧 猛烈 野蛮 雄偉 憂鬱 優雅

勇敢 悠久 雄健 雄渾 優秀 勇壮 雄大 優美 勇猛 優良 容易

妖艶 幼弱 幼稚 磊落 良好 吝嗇 流暢 流麗 冷酷 冷静 冷淡

霊妙 廉潔 廉直 矮小 和平

(11)『講談社中日辞典』は“长大”について次のように説明している。

【长大】zhǎngdà[動]育つ。成長する。大きくなる。

我是在北京~的/私は北京で育った。

~了做什么·/大きくなったら何になるの。

(12)『講談社中日辞典』は“兼职”“处方”“破门”について次のように説明している。

兼职 jiān//zhí

[動]兼職する。非常勤で働く。アルバイトをする。

他还在别的公司~/彼は別の会社でもアルバイトをしている。

[名]非常勤の職。兼務。アルバイト。

辞去~专搞教学/兼務はやめて、授業に専念する。

处方 chǔfāng

[動]処方する.

[名]処方。処方箋(しよほうせん)。

开~/処方箋を出す.

破门 pòmén[動]

1.ドアを打ち破る。

~而入/ドアを破って入る。

2.〈宗〉破門する。

3.〈体〉(サッカーなどでシュートした球が)ゴールに入る。

(13)日本語の動賓型の「VNする」の他動詞用法はもっと詳しく研究をする必要があるが、これからの研究課題にしたい。

(14)「-化」について、五味政信ほか(2006)は次のように指摘している。

「~化」は中国語では日本語よりもはるかに意味の幅が広く、日本語母語話者の感覚では、「~化」は動名詞、「~的」はナ形容詞と考えられているものが、「~的」が名詞の連体修飾を表す中国語の母語話者の感覚では、「~化」は形容詞の意味までを覆う可能性があるということである。この点は、日本語を母語とし、中国語がわからない日本語教師が押さえておかなければならない「勘どころ」(黄·井上2005)の一つであると思われる。p8

(15)「発覚」は日本語では「不正が発覚する」のようにサ変自動詞で、マイナス的な意味しか表さないが、中国語では「(あることに)気付いた」という中性的な意味を表す他動詞である。例えば、

到了车站,他才发觉没带钱包/駅に着いてはじめて彼は財布を持ってこなかったことに気付いた。  講談社『中日辞典』

「主演」は中国語では他動詞だけでなく、名詞でもある。例えば、

主演 zhǔyǎn

[動]主演する。

他~过好几部电影/彼はいくつもの映画で主役を演じたことがある.

[名]主演;主演俳優

《牡丹亭》的主演童丹是潘凤霞之女。 コーパス

笔者译:『牡丹亭』の主演俳優童丹は潘鳳霞の娘である。

(16)『講談社中日辞典』の説明である。

(17)『大辞泉』の用例である。

(18)『講談社中日辞典』の用例である。

(19)『明鏡国語辞典』の説明である。

(20)『プログレッシブ和英中辞典』の用例である。

(21)『大辞泉』の漢字の「段」に関する説明である。

(22)「輩出」の用法について、林四郎(1981)は「漢字基底語考」で次のように指摘している。

「輩出」という語がある。「出」の「でる」は明らかだが、「輩」は何か、現在では確たる意味が感じられないのではあるまいか。元来は、百台の車を意味したそうで、多数のものが相並んでやって来るように、続々と出て来るのが輩出らしいが、現在は、必ずしもそういう意味で用いられてはいない。ある地方からただ一人の偉人が出ても、その地方は人材を輩出したことになるであろう。 p25

(23)「科学」のサ変動詞化について、『大辞泉』は次のように説明している。

「科学する心」とサ変動詞に使用したのは昭和15年(1940)第二次近衛内閣の文相橋田邦彦が最初という。おかしな日本語として問題になった。

(24)この論点は宋協毅の『「始·続·終」を表す類似補助動詞及び関連の補助動詞の研究—日本語の「過程重視」の視点から』という博士論文からも証明されている。

(25)これらの言葉は中国語で介詞以外の品詞も兼ねているが、ここで介詞としての意味に絞って、日本語での意味と比較を行う。介詞の意味に対応する日本語訳は講談社『中日辞典』を、日本語での意味は『岩波国語辞典』の一部を引用した。

(26)《汉语大词典》は“发觉”について、次のように説明している。

(1)发现,觉察。

彭离骄悍,无人君礼,昏暮私与其奴、亡命少年数十人行剽杀人,取财物以为

好。所杀发觉者百馀人,国皆知之,莫敢夜行。  《史记·梁孝王世家》

于是作沈命法,曰:‘羣盗起不发觉,发觉而弗捕满品者,二千石以下至小吏

主者皆死。’  《汉书·酷吏传·咸宣》

用钱货铜,事可寻检,直由纠察不精,致使立制以来发觉者寡。

《通典·食货九》

我道是甚么秘事给你发觉,原来你说的是薆云!  《孽海花》第四回

敌人已经发觉了他们,好几挺机枪一齐横扫过来。

魏巍《东方》第三部第四章

(2)被发现觉察;暴露,败露。

赵相贯高等事发觉,夷三族。  《史记·高祖本纪》

是岁淮南、衡山王谋反,发觉,皆自杀。  《汉书·五行志中之下》

布与卓侍婢私通,恐事发觉,心不自安。  《三国志·魏志·吕布传》

咸通四年,萧倣杂文榜中,数人有故,放榜后发觉,责授蕲州刺史主司。

五代·王定保《唐摭言·主司失意》

钱海山,邑绅之豪横者也。以盗案发觉,破家客死。

清·严有禧《漱华随笔·钱海山》

(3)告发;揭发。

梁王闻其义出于袁盎诸大臣所,怨望,使人来杀袁盎……视其剑,新治。问

长安中削厉工,工曰:‘梁郎某子来治此剑。’以此知而发觉之,发使者捕逐之。  《史记·梁孝王世家褚少孙论》

日者覃怀有过籍之赋,使吾百姓无聊生于下,非珩等为吾发觉,则吾终不得

闻东人之疾苦矣。  唐·元稹《韦珩京兆府美原县令》

那申家踪迹可疑,身子常不在家,又不做生理,却如此暴富。我们只是查不

着他的实踪迹,又怕他兇暴,所以不敢发觉。  《初刻拍案惊奇》卷十九

(27)《汉语大词典》の“位置”の(1)と(2)は動詞の用法である。

(1)谓品评人称,分别高下。

(子弼)有风格,善自位置。  《魏书·穆子弼传》

(2)布置;安排;处置。

晁无咎閒居济州金乡,葺东臯归去来堂,楼观堂亭,位置极潇洒。

宋·陈鹄《耆旧续闻》卷三

至成化五年己丑科读卷,则兵部尚书兼翰林学士直内阁商辂居吏部尚书崔恭之前……

而位置如此,则以阁体重也。  明·沈德符《野获编·内阁一·阁部列衔》

我们试想那是怎样的痛苦,与位置罪人的囚狱有没有两样的地方?

李大钊《五一纪念日于现在中国劳动界的意义》

(3)所处地位或地方。

位置不敢乱后先,列坐宛如师弟子。  清·孙枝蔚《题方尔止四壬子图》诗

贝汉廷一跃而起,到海图室查明难船失事位置。  柯岩《船长》

(4)特指职位。

她希望能够找到一个小学教员的位置。  杨沫《青春之歌》第一部第三章

(28)《汉语大词典》の“婚姻”の(1)は動詞の用法である。

(1)男女结为夫妻;嫁娶。

茧紬缣练者,婚姻之嘉饰也。  汉·桓宽《盐铁论·散不足》

后月一日,可合婚姻。  唐·牛肃《纪闻·季攸》

婚姻是爱的结束,也是爱的尝试,也是爱的起头!  老舍《二马》第四段八

(29)《汉语大词典》の“破绽”の(3)は動詞の用法である。

(3)开裂;绽开。

戚戚复戚戚,白头残兵向人泣。短衣破绽露两肘,自说行年今七十。

元·成廷珪《戚戚行》

那姑娘站在墓前,把提琴弹了几声,刚好弹了几声,梅花儿都已破绽。

郭沫若《瓶》诗之十六

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