日本語のあいさつ言葉には、ペアで使われるものが多い。例えば「ただいま」と「お帰りなさい」、「行ってきます」と「いってらっしゃい」などである。しかし、片方だけ発し、返事がないという一方通行のあいさつ言葉も存在している。日本人のあいさつ言葉の一つの特徴は、儀礼的な場合、一方通行的なあいさつをするということである。あいさつは人と人が交わし合うものだと一般的に言われながら、接客をする人たちは相手が特定の個人であろうと不特定の多数であろうと、そして相手が答えようと答えまいと、「おはようございます」や「いらっしゃいませ」のようなあいさつの言葉を呪いのように唱える。中国語もこれに似ていて、デパートや店の中で、「您好」や「欢迎光临」と言われても、ほとんど返事をしないであろう。もちろんこんなあいさつをしている店員たちも返事が来るとは思っていないに違いない。つまり、話し手も聞き手も、これは一方的なあいさつ言葉だと承知している。しかし、これは欧米では通用しないそうである。アメリカでは接客する人たちは、相手の目を見ながら「Goodmorning.MayIhelpyou?」のようなあいさつ言葉を使い、相手も答えざるを得ない状況を作り出す。つまり、あいさつは相互に取り交わすものだという原則を守っているということになる。前の「日本人のあいさつ観」のところで述べたように、日本人はあいさつを重視するあまり、一方通行的で機械的なあいさつをよくする習慣がある。従って、あいさつの本来の意味が失われ、あいさつ言葉が商業語になってしまうという批判の声が聞こえる。
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